10月も後半に入り、秋晴れの穏やかな天候が続く一方で、南の海上では次なる台風の「たまご(熱帯低気圧の卵)」に関する情報が注目を集めています。
2025年は例年に比べて熱帯低気圧の発生ペースが遅いながらも、10月中旬以降は連続して台風が発達しており、その流れから「台風26号」の可能性に視線が集まっています。
米軍合同台風警報センター(JTWC)やヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)、そしてWindyのグローバル気象モデルでは、フィリピン東方海上の不安定な低気圧域に注目しており、日本への影響の有無を早期に見極める段階に入っているようです。
現在の台風26号“たまご”発生状況
2025年10月22日現在、気象庁の公式発表ではまだ「台風26号」は命名されていません。ただし、太平洋上では新たな低気圧が発生しており、米軍やヨーロッパの解析で“台風のたまご”としての注視段階に入っています。
米軍JTWCの監視データでは、フィリピン東海上の低圧域で雲の渦が強まり、24〜48時間以内に“発達傾向を持つ低気圧”へ格上げされる可能性があるとされています。
特に、海面水温が29〜30℃と高温に維持されていることが発達の要因となっており、周囲の上層風の弱まりも追い風と言える状態です。
- フィリピン東方海上に低圧域が存在
- 海面水温は発達に十分な温度(29〜30℃)
- 米軍JTWCが「LOW(低)→MEDIUM(中)への引き上げ」を検討中
- 24〜48時間以内に“赤シグナル(HIGH)”の可能性
こうした初期段階では、各機関のモデルで進路が大きく分かれるのが特徴です。まだ渦がまとまりきらないため、西向き・北寄り双方のシナリオが描かれていますが、現時点では「太平洋側で成長しながら北上するルート」が優勢という見方が強まっています。
米軍JTWCの進路予想と発達見込み
米軍合同台風警報センター(JTWC)は、世界で最も早く熱帯低気圧の発生を察知する機関です。
その分析では、“台風26号候補”とみられる低圧域が、グアム南東海上を中心にゆっくりと西進中と発表されています。
特筆すべきは、シグナルレベルが「MEDIUM」まで上がった点です。これは「今後24〜48時間以内に台風化する可能性が中程度以上ある」という指標であり、実際に2025年の他の台風でも、この段階から24時間以内に正式な熱帯低気圧(TD)に昇格したケースが複数ありました。
- シグナル:MEDIUM(発生可能性中程度)
- 動向:ゆっくり西進、海面温度・湿度ともに発達向き
- 環境条件:上層風弱く、最大風速25〜30ノットの可能性
ここが「HIGH」に格上げされたら台風化確実のサインです
さらに、最新解析では北西方向に進むシナリオも浮上しており、ルソン島北部〜沖縄方面への広範囲ルートをとる可能性も指摘されています。特に10月下旬の太平洋は偏西風が勢力を強めるため、台風が急カーブを描くパターンも十分考えられます。
結論としては「まだ台風番号の付与前段階」ながら、米軍モデルでは26号発生は時間の問題といえる動きになりつつあります。
ヨーロッパ(ECMWF)モデルでの最新進路解析
一方、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の最新モデルでも、フィリピン東方~マリアナ諸島周辺の低圧域を検知しています。特徴的なのは、ECMWFが早期段階から「渦の強化」「対流活動の集中」を示しており、今後5〜7日以内に熱帯低気圧として発達するシナリオを複数提示している点です。
WindyなどでECMWF層のデータを可視化すると、10月25〜26日にかけて渦の中心気圧が徐々に低下し、太平洋西部で明確な台風循環パターンが見え始める構図になっています。
- ECMWFモデル:25〜26日にかけて低圧域が急発達
- 初期進路:西〜北西進(ルソン島方面)
- 長期進路:偏西風の影響で北東転向の可能性
- 気圧場解析:最低980〜990hPaラインが出現
(吹き出しコメント:この「980hPa」付近の等圧線が出たら要注意です)
実際、ECMWFモデルは他国のモデルよりも長期的な傾向を早く掴む点が強みです。まだ“たまご”の段階から台風進路を推定できるため、数日先の備えを考える上で参考にする価値があります。
Windyで見る風速・気圧変化傾向
Windyは気象庁やECMWF、GFSなど複数のデータを総合して視覚的に表示できる気象ツールで、台風発生の兆候をいち早く見るのに最適です。
10月22日現在のWindyマップでは、フィリピン東方で風速30〜40km/h前後の弱い循環が確認され、中心付近の気圧は1002hPa付近。まだ明確な台風の形ではないものの、南西側で湿った風が入り込み、今後の発達素地は十分といえます。
このWindyの解析を見る際のポイントとして、
- 「風速30km/h以上の渦が続くエリア」=発達のサイン
- 「上層風(250hPa)」が緩い=台風が垂直発達しやすい
- 「海面温度29℃以上」=エネルギー源として充実
(吹き出しコメント:「風速カラーが濃くなったら発達サイン」と覚えよう)
また、日本付近には前線帯も残っているため、台風が北上した場合、秋の前線との融合による大雨リスクにも注意が必要です。
上陸しなくても湿潤空気の影響で降水が長引くケースがあり、過去にも10月下旬の台風で関東に大雨をもたらした例がありました。
今後の日本への影響と備え方
今の段階では進路が定まっていないものの、米軍・ヨーロッパ双方が「北西→北東ルート」の可能性を示していることから、日本列島に接近するケースを完全には否定できません。
特に週明け(10月27〜29日)には西日本〜東日本の南岸で雨が強まるタイミングが重なる可能性もあり、間接的な影響にも備えておくべきです。
台風が実際に発生・接近する際は、以下の準備が有効です。
- 雨樋やベランダ周りの排水チェック
- 停電対策としてモバイルバッテリーの充電
- 交通機関の計画運休情報を事前確認
- 水や非常食のストックを小規模でも用意
- 旅行・イベント予定は変更余地を持つ
台風は進路のわずかな違いで、日本への影響が大きく変わります。今回の26号も、直撃しなくても太平洋側で波が高まるなどの影響が予想されるため、最新の公式発表を常に確認し、日ごとの変化を見逃さないようにしておくことが大切です。
まとめ
- 台風26号は2025年10月22日時点でまだ「発生前」の段階
- フィリピン東海上の低圧域が“台風のたまご”として注目中
- 米軍JTWCではMEDIUM(中)評価で、48時間以内に発達の可能性
- ECMWFモデルでは25〜26日に渦の形成・気圧低下を予測
- Windyでも循環の動きが拡大傾向を示し始めている
- 北上した場合、日本列島への影響も視野に入れる必要あり
現時点では「備えのスタートライン」に立った段階といえます。米軍・ヨーロッパ・Windyそれぞれのモデルを見比べて、発達・進路のトレンドを追うことが、確実な防災・行動判断につながるでしょう。
最後に、秋台風の特徴として「速度が速くなる」「前線と合体して豪雨化する」「進路が急変しやすい」という傾向があるため、進行方向が変わった瞬間にもすぐ情報を更新することが大切です。
※本記事の内容は執筆時点の情報をもとにご紹介しています。詳細は変更となる場合がありますので、必ず最新の情報は公式サイト等でご確認ください。


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